今回は、商品市場の環境について基本的に知っておきたいブルーオーシャンとレッドオーシャンについて説明します。さらに、ブルーオーシャンとレッドオーシャンが組み合わさったパープルオーシャンもあわせて紹介します。
事例については、理解しやすいように、ある市場をもとにブルーオーシャンが生まれた事例と、時間がたってレッドオーシャンになった事例を紹介します。対象とするのは、誰もがよく知っているであろう[for Kakaoゲーム]です。
ブルーオーシャンとレッドオーシャン、そしてパープルオーシャン
まず、ブルーオーシャン、レッドオーシャン、パープルオーシャンをひと目でわかりやすく把握できるよう、画像を作ってみました。上の図にあるように、ブルーオーシャンは競争のない新しい市場を指し、レッドオーシャンは競争の激しい既存の市場を指します。そしてパープルオーシャンは、ブルーオーシャンとレッドオーシャンが組み合わさった概念と捉えることができます。
これらの詳しい内容を、ここから順に紹介していきます。
ブルーオーシャン
こんなにたくさんの魚を独り占めできたら??
ブルーオーシャンとは、釣りにたとえると、魚をたくさん釣ることのできる広く深い青い海を意味します。実際に使われる意味としては、ある企業が生み出した新製品が単独で市場を占有する、競争のない市場を指します。
ブルーオーシャンでは、創造によって市場の需要が生まれ、莫大な利益と急成長を実現する機会が開かれています。
事例
for Kakaoゲームの出発点となった[アニパン]
同じころにともに成功した[ドラゴンフライト for Kakao]
先ほど述べたように、for Kakaoゲームの市場をもとに事例を紹介すると、これまでになかった市場を新たに開拓した代表的な事例として、アニパンを挙げることができるでしょう。
カカオは以前、カカオトークというメッセンジャーの利用者は多かったものの、適当な収益源がなく苦境に立たされていました。しかし、アニパンがリリースされる際にカカオと提携し、カカオトークに登録された友だちにハートを送りながらゲームをプレイし、成果を自慢できるようにしたことで、口コミによる絶大な波及効果を生み出しました。
これにより、アニパンを開発したサンデートズと、プラットフォームであるカカオは莫大な利益を上げ、会社が急速に成長し始めました。特にカカオは、カカオゲームという新たなプラットフォーム市場を開き、数多くの新しいfor Kakaoゲームを受け入れながら、驚異的な速さで成長しました。
みんなのマーブル for Kakao
みんなのマーブルはアニパンよりも後発に当たりますが、新しいコンセプトによってブルーオーシャン内に市場を生み出しました。これは、子どものころにオフラインで楽しんだ懐かしいゲームをオンラインに移し、for Kakaoの特性と融合させることで大きな成功を収めたものです。
時期的に判断が難しく、レッドオーシャンでの成功事例と捉えることもできますが、この時点ではまだfor Kakaoゲームがレッドオーシャンになる前だったと判断し、ブルーオーシャンの事例として紹介しました。
AR市場の扉を開いた[Pokémon GO]
for Kakaoとは別に、Pokémon GOも新しい市場を開拓した事例なので、追加で紹介します。Pokémon GOは、ARと呼ばれる拡張現実を基盤とした代表的な成功例であり、世界中で大きなブームを巻き起こしました。
ポケモンという人気キャラクターに、位置情報に基づくシステムと拡張現実の斬新さが加わったことが、大きな関心を集める秘訣となりました。その後、不正プレイへの対応やコンテンツ不足などの問題でユーザー数が減ったことは、別の問題として捉えるべきでしょう。
レッドオーシャン
何を武器に、競争の激しい市場へ飛び込むのか?
レッドオーシャンとは、すでに広く知られており、先発・後発企業の競争が非常に激しく、赤い(red)血を流さなければならない競争市場を指します。競争が激しいため成功を期待しにくく、既存のあらゆる市場が対象となります。
何の差別化もせずに飛び込めば、ほとんどの場合は失敗すると考えるべきであり、企業としては差別化と低コストのどちらかを選び、既存の市場を攻略しなければなりません。
事例
数え切れないほどのfor Kakaoゲーム
数多くの後発のfor Kakaoゲームが市場で苦戦したり、姿を消したりしました。画像を見るだけでも息が詰まるほど、その数は増えました。
ノーブランドの戦略
ペクタバンの戦略
しかし、レッドオーシャンだからといって、誰もが生き残れないわけではありません。この市場以外の代表的な事例として、コストパフォーマンス(価格に対する性能)を前面に打ち出して成功したイーマートのノーブランドや、カフェがあふれる中で大きな成功を収めたペクタバンなど、人々の心をつかむ例もあります。これらに共通するのは、顧客の立場で価格を設定しようとしたことです。
もっとも、for Kakaoゲームをはじめとする多くのモバイルゲームは、寿命が短いために際限なく課金を促しており、上記のように人々の心をつかむのは難しいでしょうが。
パープルオーシャン
パープルオーシャンとは?
パープルオーシャンとは、競合のいないブルーオーシャンと、激しい競争が繰り広げられるレッドオーシャンを組み合わせて生まれた言葉です。青と赤を混ぜると紫(パープル)になることに由来します。
発想を転換し、既存のなじみのあるアイデアやビジネスモデルなどから新たな価値を生み出すことを指し、競争の激しいレッドオーシャンで新たな変化を試み、開拓し、困難を乗り越えていく市場です。
これは、ブルーオーシャンの新しい市場を開拓するリスクを減らし、差別化によってレッドオーシャンから抜け出そうとする戦略です。カカオフレンズやマーベルヒーローのように、成功したキャラクターをさまざまな市場に展開するワンソース・マルチユース(OSMU)が、パープルオーシャンの代表的な成功戦略です。
事例
アニパンに似た[フレンズポップ]
みんなのマーブルに似た[フレンズマーブル]
レッドオーシャンに参入して成功した事例としては、カカオフレンズのキャラクターを前面に打ち出したフレンズポップやフレンズマーブルなどが挙げられます。両ゲームは、すでに飽和していたfor Kakaoゲーム市場に、しかも既存のアニパンやみんなのマーブルに似たゲームで参入しました。
それでも、すでにカカオトークなどでスタンプとして多くの人に愛されていた[カカオフレンズ]の力で人気を集め、競争の激しいモバイルゲーム市場で成功を収めました。
以上、経営やマーケティング、広報などに役立つ、知っておきたいブルーオーシャン、レッドオーシャン、パープルオーシャンの概念と事例を紹介しました。
できるだけ少しでも理解しやすく、正確に紹介するため、比較しやすいようにfor Kakaoという限られた範囲で説明しました。
市場は無数にあるため、参入しようとする市場の競合を調べる過程は欠かせません。何を自分(企業)の差別化要因として挙げられるのかを徹底的に分析したうえで、市場に参入していただきたいと思います。