本文へ移動
雑学書庫好奇心が集まる場所
日本語

左脳と右脳の機能と特徴の比較(左脳型人間と右脳型人間)

今回は、左右の大脳半球の機能的な違いと、それを根拠に人を左脳型・右脳型の性格に分ける説明の限界について見ていきます。人には一つの脳がありますが、この脳は左側と右側に分かれており、それぞれ担う役割が異なります。

 

そして、役割の異なる両者をつないでいるのが脳梁という通路で、左脳と右脳の間で情報をやり取りする役割を担っています。もし頭にけがをした際に脳梁が損傷すると、左脳と右脳の協力関係が断たれ、通常の生活が難しくなります。つまり、体の左側と右側がばらばらに動く状況が生じるのです。

 

左脳と右脳の機能

左脳と右脳の機能と特徴 左脳と右脳の機能と特徴

左脳と右脳は、それぞれ体の反対側を担当しています。左脳は体の右側の各部位を、右脳は体の左側の各部位を動かし、制御します。

 

また、左脳には言語処理を担う部位があり、私たちが考えていることを文章や言葉で表現するうえで大きな影響を及ぼします。そのため、左脳が損傷すると、言葉を話せなくなる失語症になったり、言葉で表現する能力が低下したりします。

 

右脳にも、注意機能などに関わる重要な領域があります。特定の機能への左右の半球の関わり方が異なるという事実だけで、その人の共感能力や人間的な魅力を片方の半球の特性として断定することはできません。

 

左右の半球の機能の違いと性格分類の限界

左右の半球の機能的な違いと性格分類の限界 左右の半球の機能的な違いと性格分類の限界

左脳型の性格という通念

文章や数字を扱う活動の例 文章や数字を扱う活動の例

言語処理のように、左半球が相対的により多く関わる機能はあります。しかし、このような機能的な違いを根拠に、その人全体を、体系的で論理的かつ客観的な左脳型の性格に分類することは、裏付けられていません。

 

数学や科学に対する能力や好みを、左脳型という性格タイプで説明する根拠は不十分です。左脳型に分類された人はIQも高いだろうと予測してはいけません。

 

感情表現、比喩の使用、名前を覚えることなどの特徴を、一つの左脳型の性格として結び付ける説明にも、十分な根拠はありません。個々の機能における左右の違いと、その人全体の性格分類は区別する必要があります。

 

右脳型の性格という通念

絵を描くといった創作活動の例 絵を描くといった創作活動の例

右脳型人間を左脳型人間とは正反対の性格として説明する考え方も、裏付けられていません。直感的あるいは主観的な思考をするという理由だけで、その人の脳全体で右半球が優位だと判断することはできません。

 

絵を描くことや作曲が好きだったり、創造的な活動が得意だったりするからといって、右脳型人間だとはいえません。このような分類によって、芸術やスポーツの能力、あるいはEQが高いだろうと予測する根拠も不十分です。

 

豊かな感情表現、比喩的な話し方、顔を覚えることなどの特徴を、一つの右脳型の性格としてまとめる説明には注意が必要です。こうした特徴だけで、特定の半球が全般的に優位であると確認することはできません。

 

左脳と右脳は協力関係にある

左脳と右脳が協力することで相乗効果が生まれる 左脳と右脳が協力することで相乗効果が生まれる

左右の半球は情報をやり取りしながら、共に機能しています。一部の領域や課題で片方の半球の関与が大きくても、人の脳全体が左脳型または右脳型に分かれるという意味ではありません。

 

科学的な活動にも創造性が必要であり、芸術活動にも体系的な思考が必要になることがあります。これらをそれぞれ左脳だけの活動や右脳だけの活動に分けるのは適切ではありません。

 

自分の強みを生かし、不足している能力を練習によって補うことと、左脳型・右脳型の性格をバランスよく発達させるという主張は、区別する必要があります。左脳型・右脳型という分類だけで、共感能力や訓練の効果を予測する根拠は不十分です。

 

 

今回の資料で重要なのは、実際に存在する左右の半球の機能的な違いを、その人全体の性格タイプにまで広げて解釈しないことです。左脳型・右脳型・両脳型という名称よりも、具体的な能力や活動に目を向けるのが適切でしょう。