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信頼性と妥当性の概念をわかりやすく理解する

統計学、マーケティング、世論調査など、アンケート調査に関する学習で、必ず重要な用語として登場するのが、 信頼性と 妥当性です。一般的な本には、信頼性は妥当性の必要条件であり、妥当性は信頼性の十分条件であると書かれています。

 

しかし、何度読んでも、この説明はなかなか理解できません。何が必要で、何が十分なのか……。でも、信頼性と妥当性は図で見ると簡単に理解できます。

 

信頼性は、一般に、あることを同じように行える一貫性を指し、 妥当性は、意図したとおりの結果をきちんと導き出せる正確性を指します。

 

本資料では、例を二つ用意しました。一つは男性にとって比較的なじみのある射撃、もう一つは多くの女性にとって日常の一部であるメイクを題材にしています。

 

信頼性と妥当性(射撃の例)

高い信頼性 / 低い妥当性 高い信頼性 / 低い妥当性

先ほども述べたように、信頼性とは、同じ条件で繰り返したときに、結果がどれほど一貫しているかを指します。上の図では、弾が当たった位置がどれほど近くにまとまっているかに注目してください。

 

弾が当たった位置が狭い範囲にまとまっていれば結果の一貫性は高く、広く散らばっていれば低いといえます。ゼロ点調整は、こうしてできた弾着群の位置を照準点に合わせる作業なので、弾着群が狭い範囲にまとまることとは区別する必要があります。

 

上の図では、弾が当たった位置が狭い範囲にまとまっているため信頼性は高いものの、狙っていた標的の中心から外れているため、このたとえでは妥当性が低い結果となります。

 

弾が一か所にまとまっているからといって、必ずしも目標に当たるわけではありません。このように、結果に一貫性があっても目標とはずれることがあるため、信頼性が高いという理由だけで妥当性も高いとはいえません。

 

高い信頼性 / 高い妥当性 高い信頼性 / 高い妥当性

上の図では、狙っているど真ん中の目標にすべて命中しています。すべて同じ場所に当たっているので信頼性が高く、意図した中心に命中しているので妥当性も高い結果です。

 

この図では、繰り返し射撃した結果が標的の中心に近く、互いに狭い範囲にまとまっているため、目標に合っている度合いと結果の一貫性がともに高いことがわかります。

 

低い信頼性 / 低い妥当性 低い信頼性 / 低い妥当性

上の図では、弾が当たった位置が互いに散らばり、標的の中心からも外れています。このたとえでは、信頼性と妥当性がともに低い結果といえます。

 

結果のばらつきを小さくすることと、標的の中心に近づけることを、それぞれ検討する必要がある状況です。

 

信頼性と妥当性(メイクの例)

今度は、女性の日常の一つであるメイクにたとえてみましょう。

高い信頼性 / 低い妥当性 高い信頼性 / 低い妥当性

上の図は、頭の中でどのようにメイクするかを思い描いていたものの、いざメイクをすると、思ったとおりに描けない状況です。きれいに描きたいのに、毎回同じようにゆがんでしまいます。ほんの数日ならまだしも、ずっと思ったとおりのメイクができません。思い描くイメージに技術が追いつかず、手が思うように動かないのです。

 

毎回、思っていたのとは違うメイクになり、意図から外れるため妥当性は低いものの、一貫して同じ結果が繰り返されるため、信頼性(結果の一貫性)は高い状況といえます。

 

高い信頼性 / 高い妥当性 高い信頼性 / 高い妥当性

今度は、毎日思いどおりに上手にメイクできる、メイク上級者の場合です。思ったとおりに描けるため妥当性が高く、毎日同じ結果を繰り返せるため、信頼性(結果の一貫性)も高くなります。

 

この例では、望んでいる形と実際の結果が一致し、その結果も毎日一貫して繰り返されています。

低い信頼性 / 低い妥当性 低い信頼性 / 低い妥当性

この場合は、理想とするメイクがあり、頑張って描くものの、毎回違う結果になります。思い描いたとおりにメイクできないだけでも残念なのに、ある日はうまくできたと思ったら、別の日にはがっかりする出来で……。腕前にもむらがあります。

 

思いどおりに描けず妥当性が低く、結果も毎回変わるため、信頼性(結果の一貫性)も低い状況といえます。

 

 

以上、 信頼性と 妥当性の概念を見てきました。信頼性は一貫性、妥当性は正確性という概念を押さえ、上の図を参考にすると、より理解しやすくなると思います。アンケート調査や検査に関わる重要な概念なので、しっかり理解するきっかけになれば幸いです。