デザインをしたり、PPTなどの資料を作ったりしていると、色を使う機会が多くあります。今回は、そうした場面に備えて知っておくと役立つ資料を作り、共有したいと思います。実際、色を使うこと自体は誰でも気軽に取り組めますが、見栄えよく仕上げるのはとても難しいことでもあります。使いすぎたり、表現が控えめすぎたりすると、貧相に見えたり、味気なく見えたりしやすいためです。
そのため、色を使って見栄えをよくするには、配色を工夫する必要があります。この資料では、その点について取り上げます。配色の特徴を見る前に、それぞれの色の特徴や原理を理解しておくと、さらに役立つでしょう。
<色彩心理に関する資料>
この資料では、配色で表現できる印象を9種類に分け、それぞれに使う色、避けたい色、配色時の参考事項を整理し、より見やすくまとめます。
※ Clear(清潔感、純粋、爽やかさ、シンプル)
清潔感のある配色
★ 使用する色
- 明るい青、緑系
- 白(清潔感を強調)
- 明るいグレー(柔らかさ)
★ 避けたい色
- 低彩度の濁った色は避けましょう。
★ 配色時の参考事項
* 高明度・中彩度の配色
- 統一感があり、安定したコントラストが生まれます。清潔で鮮明な雰囲気を表し、中彩度を適切に使うと、印象に強弱をつけられます。目障りになりにくいという特徴があります。
※ Tender(穏やかさ、柔らかさ、静けさ、落ち着き)
穏やかな配色
★ 使用する色
- Tint(淡い)系
- 明るいトーン
- 弱いコントラスト
- 低明度の配色(落ち着き、穏やかさ)
- グレー(柔らかさ、冷静さ)
★ 避けたい色
- 色のコントラストが大きい組み合わせは避けます。
★ 配色時の参考事項
* 高明度・低彩度の配色
- ティント系の色です。穏やかで柔らかく、調和と安定感があります。一部分に原色や低明度の色を配色すると、強弱やアクセントをつけられます。
* 色相差の小さい配色
- 類似系統や同一系統の色を組み合わせます。全体として調和が取れ、バランスがよくなります。明度差が小さいと、柔らかくしなやかで、落ち着いた安定感のある印象を与えます。
※ Natural(人間らしさ、ナチュラル、自然な印象、心地よさ)
自然な配色
★ 使用する色
- 柔らかい黄、緑系(例:アイボリー、ベージュ)
- 中間のトーンで配色
- 茶系
★ 避けたい色
- 強いコントラストを生む原色は避けましょう。
★ 配色時の参考事項
* 低彩度の3色配色
- 注目性は低く、落ち着いた安定感のあるイメージを与えられます。
※ Active(活動的、動的、スピード、活気、大胆、強烈)
活動的な配色
★ 使用する色
- 高彩度の暖色系
- 青、紫(活動的)
- オレンジ(注目、強調)
- 高彩度 ― 補色対比
- 白と黒の配色(緊張感)
★ 避けたい色
- 同じ明度の配色や低彩度の色は避けましょう。
★ 配色時の参考事項
* 高彩度の3色配色
- 代表的なものに赤、青、黄があります。強いコントラストが生まれ、視覚的に注目を集めます。原色を使った配色で、視線を誘導したいときに適しています。
* 明度差の大きい補色の配色
- 強いコントラストが生まれ、注目性と視認性が高くなります。軽快で明快なイメージを示し、鮮やかな色のコントラストが楽しさを与えます。
* 明るい配色にアクセントカラー
- 高明度や高彩度の背景に低明度の色でポイントを置いたり、単調で明るい背景に高彩度のアクセントを加えたりすると、ポイントとして機能して強く視線を引きつけ、視覚的な緊張感や興奮を引き起こします。
※ Casual(カジュアル、明朗、自由、明快、スピード感、活動的、愉快)
明朗な配色
★ 使用する色
- 華やかで明るい色
- 2~3色
- 明るく鮮やかな色
- 白を組み合わせた配色(軽快さ、新鮮さ)
★ 避けたい色
- 暗い色や濁った色は避けましょう。
★ 配色時の参考事項
* 有彩色のアクセントカラー
- 彩度対比や補色対比によって視線を刺激します。強い注目性と明視性を示します。
* 色相差の大きい配色
- 上と同様に、補色や強いコントラストを利用します。差が大きいほど、注目性と視認性が高まります。純色や高彩度の色による対比は、さらに鮮明で強烈な印象を与えます。
* 多色を使ったセパレーション配色
- 色のイメージを区分したり、色をコントロールしたりします。イメージに強弱をつけ、活力を吹き込みます。シンプルなイメージを豊かで華やかにすることもあります。ただし、使い方によっては散漫に見えるため、慎重に配色します。
* 高明度によるセパレーション配色
- 視覚的なコントラストが強いため、白や高明度のセパレーションカラーを使うと、配色が明瞭で軽快になります。彩度の低い配色に白を組み合わせると、全体の明度が上がり、配色に強弱の効果が生まれます。
* 明度差の小さい補色の配色
- 代表的なものとして、赤、青、緑を挙げられます。多彩な印象を与えますが、視線を引きつけることはできません。白を組み合わせると、コントラストと強調が加わり、視覚的に安定します。
* 単色を使ったセパレーション配色
- 色の境界をはっきりと区切ります。イメージを明快で整理されたものに見せ、最も強い視覚的な注目効果を生み出せます。
※ Classic(クラシック、伝統的、古典的、安定的、保守的)
伝統的な配色
★ 使用する色
- 茶系、黄、暗いグレー
- 深みのある暗い色調
- 濃い茶と紫の配色(高級感、クラシックな印象を強調)
★ 配色時の参考事項
* 低明度によるセパレーション配色
- イメージ全体の明度と彩度を下げ、安定した落ち着きのある雰囲気を作ります。高彩度の配色に低明度の色を組み合わせると、華やかなイメージがなじみ、調和の取れたコントラストが生まれることもあります。明度の高い補色の配色に黒や濃いグレーを使うと、コントラストが明瞭になり、さらに強いインパクトを与えます。
※ Elegant(繊細さ、優雅さ、女性的な柔らかさ、神秘性)
優雅な配色
★ 使用する色
- 柔らかいグレー、ピンク、紫系
- 強いコントラスト(強烈な美しさ)
- 淡い色の対比(上品さ、重厚な品格)
- 淡い色とグラデーションの配色(穏やかさ、洗練された気品)
★ 配色時の参考事項
* 色相で表現するグラデーション配色
- 単色の単調さを避けるために使います。二面性があり、進歩的で華やかな印象を示します。しかし、可読性や視認性が低下し、使い方によっては散漫に見えることがあります。
* 明度と彩度で表現するグラデーション配色
- 純色に白や黒を加えます。明度と彩度の変化を利用して、安定した調和のある印象を与えます。やや濁りを感じさせる配色です。
* 多色のグラデーション配色
- 視覚的な華やかさや幻想的なイメージを与えられます。色を強調し、空間の広がりを演出できます。未来的で神秘的な印象を示しますが、コンセプトに合った配色が必要です。
※ Modern(洗練、現代的、都会的、進取的、都市的、先端的、個性的)
洗練された配色
★ 使用する色
- 黒、グレー、白の無彩色
- 青系の寒色(シンプル、洗練)
- 明度や色相に大胆なコントラスト(未来志向)
- 暖色系の配色(カジュアル、動きのある洗練、強調)
★ 配色時の参考事項
* グレートーンに黒を組み合わせた配色
- 重厚感があり、安定した雰囲気を示します。飽きが来ず、落ち着きと重厚さを感じさせます。高級感のある洗練された雰囲気に適しています。
* グレートーンに白を組み合わせた配色
- 視認性と注目度が高く、安定感と信頼感のあるイメージを与えます。最もモダンで洗練された配色で、信頼感のある雰囲気を与えるのに適しています。
* グレートーンの多色配色
- 安定感とバランス感を備えています。グレーはどの色とも調和して組み合わせられるため、低彩度のグレーは背景に活用されます。
* 単色(暖色)を使った配色
- 視覚的な興奮をもたらし、強い動的な雰囲気を表します。可読性と視認性が高くなります。活力のあるイメージを与え、シンプルながら強い効果を示します。
* 単色(寒色)を使った配色
- 清潔感があり、落ち着いた色です。静的で知的なイメージを示します。白と組み合わせると可読性が高まり、現代的ですっきりとしたイメージを与えられます。
* 無彩色のアクセントカラー
- 色の明度差によって区別します。低明度や低彩度の配色に白のアクセントを使うと、高い可読性と視認性が得られます。どの色と組み合わせても調和します。
※ Ethnic(土着的、民俗的、異国的、独特、伝統的)
土着的な配色
★ 使用する色
- 暗く彩度の高い色
- 低明度を中心に
- 明るい色をアクセントに
★ 避けたい色
- 明度と彩度が低すぎると、沈滞した雰囲気や野暮ったさが生まれます
★ 配色時の参考事項
* 暗い配色にアクセントカラー
- 彩度対比を使って配色し、彩度差が大きいほど、さらに鮮明になります。低彩度の背景に高彩度のアクセントカラーを置くと、視覚的に強く注目を集め、明快な視認性を与えられます。
各色の組み合わせの位置分布
あわせて、先ほど説明した各印象に対応する色が色相環のおおよそどの位置にあるかを、大まかに示すと次のようになります。
各配色の位置分布
上の色相環では、明るい印象を与える必要のある高明度・高彩度系を色相環の外側に示し、暗い印象を与える必要のある低明度・低彩度系の印象を内側に示しました。ただし、補色対比のように互いに反対の色を使うことも多いため、上の色相環は大まかな位置を把握するための参考としてご覧ください。
以上、印象ごとに分類した配色方法について資料をまとめました。一般に、デザイン系以外のソフトウェアでは、虹の色のような単調な色だけが用意されていることが多く、一般の人はそうした色に慣れています。しかし、詳しく見てみると、彩度と明度の調整の程度によって非常に多くの色があり、それらを組み合わせる方法も多様であることがわかります。この資料で整理した配色方法はごく一部にすぎず、色を組み合わせる際には、状況に応じた印象を反映した無数の組み合わせがあるでしょう。
そのため、この資料で紹介した配色方法をもとに基礎練習を行い、その後は自分の感覚を生かして、さらに多彩で魅力的な配色ができるよう、力をつけていただければと思います。
