今回は、心理学の一要素である防衛心理(防衛機制)について、資料をまとめておきたいと思います。正確には、フロイトの精神分析学に含まれる重要な概念です。防衛機制とは、人間が不安な感情や葛藤によって生じる心理的ストレスを軽減するために、無意識に用いる本能的な戦略といえます。
防衛機制の一部は無意識とも関係している場合があります。これに関連して、以下の資料では意識、前意識、無意識についても一部扱っていますので、参考にしてください。
人間の防衛機制にはかなり多くの種類があり、この資料では、そのうち12種類をタイプ別に分け、理解しやすいように構成しました。筆者が考えたうえで独自に分類したものなので、一部には無理に当てはめたように感じられる内容もあるかもしれません。
防衛機制―回避型
人間の防衛機制―回避型
まず、回避型として抑圧、否認、合理化、隔離をまとめました。
抑圧とは、精神分析理論において、つらい経験や受け入れがたい考え・衝動が、無意識のうちに意識から排除される防衛機制を指します。知っていることを意図的に考えないようにする抑制や、「その話はしたくない」と意識的に会話を避ける行動とは区別されます。これはフロイトの精神分析学の基礎概念であり、単に思い出せない、あるいは会話を避けるという理由だけで、抑圧と判断することはできません。
否認(否定)とは、受け止めきれない状況や感情を否定することを指します。事実を伝えられても認めず、受け入れない心理のことです。
合理化とは、自分の後ろめたい行動や失望するような状況に、もっともらしい理由をつけて正当化する心理を指します。
隔離(感情の隔離)とは、精神分析理論において、出来事に関する記憶や考えと、それに伴う感情が切り離される防衛機制を指します。例えば、つらい出来事の内容は覚えていて説明できるものの、そのときの悲しみや怒りは感じられない状況として説明できます。記憶そのものを意識から排除する抑圧や、感じている怒りを意識的にこらえることとは区別されます。ただし、落ち着いて話しているという様子だけで、隔離と判断することはできません。
防衛機制―不安解消型
人間の防衛機制―不安解消型
次に、人間が不安を感じたときに、それを解消するための防衛機制をまとめました。ここには投影、退行、置き換え、知性化を配置しました。
まず、 投影とは、自分の不適切な考えや行動を、まるで他人のものであるかのようにして、他人を責める行動を指します。
退行とは、自分自身の不安や脅威を解消するために、幼い頃にうまくいった行動をとることを指します。例えば、泣いたり、わがままを言ったりするなど、幼い頃にしていたような行動のことです。
置き換えとは、誰かに対して不快な感情を抱いたとき、自分より弱いと判断した別の対象に、その感情を改めて表すことを指します。いわゆる「八つ当たり」です。
知性化とは、つらい心理的な問題を避けるために、かえってその問題について考えたり分析したりするなど、知的能力を発揮する場合を指します。
防衛機制―満足型
人間の防衛機制―満足型
最後に分類した満足型には、目の前の危機を脱して満足感を得ようとする心理をまとめました。ここには反動形成、補償、同一視、代償を含めました。
反動形成とは、自分が本来考えている意図とは異なり、実際には反対の行動をとることを指します。
補償とは、何かで大きく失敗した場合に、別の分野で積極的に努力し、成功しようとする心理を指します。今回の成功によって、過去の失敗を覆い隠そうとするのです。
同一視とは、尊敬する対象や好きな対象と自分を同一視することで、満足感を得る心理を指します。
代償とは、達成できない目標への欲求を解消するために、別の次善策を探し、それによって代わりに満足しようとする心理を指します。
以上、フロイトの精神分析学に基づく人間の 防衛機制について見てきました。防衛機制は日常にもよく当てはめられる心理であるため、知っておけば生活の中で役立つ知識となるでしょう。最初は慣れないかもしれませんが、練習を通して人々の反応を分析し、どの防衛機制のタイプに当たるのかを見抜いてみてください。
